抄録
水稲再生二期作栽培の一期作における減肥および深水による生育制御が,再生茎の出現と収量に与える影響を調査した.再生茎数は,減肥を行った減肥区と深水栽培を行った深水区で,無制御区 (無処理再生二期作区) よりも多くなった.出穂日は早い順に一期作で無制御区=深水区>減肥区となったが,再生二期作で深水区>減肥区>無制御区の順となり,一期作とは異なったことから,一期作の生育制御が再生二期作の出穂を早める可能性が示唆された.再生二期作での1株玄米重は,一期作もみわら比と有意な負の相関があり,すなわち再生二期作の収量は一期作もみわら比が大きいほど少なくなると考えられた. 以上の結果から,再生二期作の生育,出穂期および収量構成要素は,一期作の生育による影響を受けることが明らかとなり,再生二期作栽培において出穂期を早期化することや収量改善につながる知見を得ることができた.