日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
鹿児島県奄美地域における収穫時期の異なる年2回収穫栽培での飼料用サトウキビ品種「しまのうしえ」の生育および収量
境垣内 岳雄樽本 祐助服部 育男神谷 充吉田 広和
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2017 年 86 巻 1 号 p. 56-61

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抄録

鹿児島県奄美地域における飼料用サトウキビ品種「しまのうしえ」の年2回収穫における最適な収穫を明らかにするため,4–7月区,5–8月区,6–9月区の収穫時期の異なる処理区を設けて,生育および収量性について検討した.2年間の年間乾物収量の平均値は,4–7月区が4.05 kg m–2,5–8月区が4.12 kg m–2,6–9月区が3.45 kg m–2であり,分散分析の結果,処理区による有意差が認められ,6–9月区の年間乾物収量は有意に低かった.また,4–7月区では乾物収量が高いものの,冬草(4月収穫)で倒伏や野鼠害が認められた.1,2年目の6–9月区の冬草(6月収穫)の乾物率は13.5%,11.8%と低く,サイレージ調製には不適であった.株出し初期生育での被植速度と気温には有意な正の相関が認められ,気温の高い6–9月区の夏草(6月収穫後)や4–7月区の冬草(7月収穫後)で被植速度が大きかった.一方で,気温の低い6–9月区の冬草(9月収穫後)では被植速度が小さく,雑草による生育抑制が懸念された.以上のことから,本報の収穫時期では5–8月区の設定が最適であり,特に,6–9月区の設定は避けるべきと判断される.

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© 2017 日本作物学会
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