日本作物学会紀事
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水稲の光合成に関する研究 : 第4報 : 圃場光合成能力構成因子とその時期的変化
村田 吉男長田 夫猪山 純一郎山田 登
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1957 年 25 巻 3 号 p. 133-137

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抄録
どの生育段階でも, 水稲の圃場同化作用の大いさを支配する第一の因子は光の強さであるが(前報), 光の強さが同じ場合の圃場同化能力は, 生育時期や栽培時期により大きな変化を示す. 本報では, このような圃場同化能力の変化がどんな因子によって支配されるかを解析し, その解析を通じて圃場同化能力の構成因子を明かにし, 更にそれらの因子の時期的な変化及びそれと体内諸条件との関連を明かにした. すなわち, (1) 水稲の単位圃場面積当りの同化能力は, 早播, 晩播に拘わらず最高分けつ期過ぎから出穂直前までの間に最高値を示す. (2) この圃場同化能力は, 受光能率(f)と, 総葉面積(A)と, 単位葉面積当りの各葉の平均同化能力(po)との三つの因子の積, Afpoによって表わすことが出来るが, このうちfはAと一定の函数関係をもつことが分ったので, 結局, 圃場同化能力はA及びpoを独立変数とする一つの函数を以て近似的に表わすことが出来る. (3) 二つの構成因子のうち, (イ)総葉面積は栽培時期の如何に拘わらず出穂期頃に最大となり, (ロ) 単位同化能力は生育の初めに高く以後漸減するが, その変化は生育の初期には葉内の乾物及び蛋白態含量と, その後は水分, 蛋白態N, K及び葉緑素含量の何れとも密接な正の相関を示す.
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