日本作物学会紀事
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とうもろこしの着雌穂節位に及ぼす日長時間の影響
浦野 啓司坂口 進田中 悌
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1958 年 27 巻 1 号 p. 103-105

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抄録

とうもろこしの着雌穂高は倒伏性と密接な関係にあるので着雌穂位置の低いことは育種上並に栽培上重要なことである. 着雌穂高は移植, 低温, 遮光処理等によつて変ることを知つたがその中で最も顕著な影響を示すのは日長処理であつた. 日長処理と着雌穂節位の関係を究明するため本実験では処理期間が着雌穂節位に及ぼす影響について実験を行なつた. 処理を明期8時間暗期16時間とした場合yucatan No. 16では処理を生育の後期に行う程着雌穂節位は上昇し日照と深い関係がある. 又処理を播種後20日目頃から40日間続けることにより最も早期に雌穂が分化した. たとえこれより早期に処理しても効果のないことから考えて花芽の分化の為めには処理前に植物体がある大きさに達していることが必要である. 雄穂が分化すると共に側芽の節位的分化は抑えられそのときの最上側芽が雌穂となり, 雄穂と雌穂の分化との間にある連関のあることを示す. 処理時期の如何に拘わらず全節数と着雌穂節位の比はほぼ3/4である.

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