抄録
前報に報告した高温による呼吸活性の低下の機構を明らかにするため, チトクローム C オキシダーゼ活性の変化についてしらべた結果, 呼吸活性が低下するような温度条件下では, チトクローム C オキシダーゼ活性も低下するのがみとめられ, 呼吸活性の低下には酵素活性の低下が関係していることが推定された. また高温により低下したチトクローム C オキシダーゼ活性は燐脂質(大豆レシチン)の添加により回復するのがみとめられ, 高温の影響は酵素蛋白自体よりも, 酵素活性発現に必要な脂質に対して作用していると推定された.