抄録
北方型 (9月播種, 5月試料採取) および南方型 (5月播種, 8月試料採取) 作物各7種の葉から抽出した脂質を, 単ーケイ酸カラムによるクロマトグラフにより phospholipid, sulfolipid, golactolipid に分別し, その脂肪酸組成をガスクロマトグラフで分析した. 作物あるいは脂質の種類のいかんを問わず, パルミチン酸, リノール酸, リノレン酸の3種の脂肪酸が, 全脂肪酸の80%以上を占めていた. 脂質の種類による差をみると, phospholipid は, sulfolipid, golactolipid にくらべてパルミチン酸含有率が高く, リノレン酸含有率が低かった. 作物の種類による差については, 南方型作物は北方型作物にくらべて (リノール酸+リノレン酸)/パルミチン酸, または不飽和酸/飽和酸の値が小さいことがみとめられた.