日本作物学会紀事
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北方型および南方型作物葉の脂質の脂肪酸組成の差異について : 第1報 シリカゲルカラクロマトグラフによる脂質の分離およびその脂肪酸組成
田島 公一
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1971 年 40 巻 3 号 p. 247-254

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抄録
北方型 (9月播種, 5月試料採取) および南方型 (5月播種, 8月試料採取) 作物各7種の葉から抽出した脂質を, 単ーケイ酸カラムによるクロマトグラフにより phospholipid, sulfolipid, golactolipid に分別し, その脂肪酸組成をガスクロマトグラフで分析した. 作物あるいは脂質の種類のいかんを問わず, パルミチン酸, リノール酸, リノレン酸の3種の脂肪酸が, 全脂肪酸の80%以上を占めていた. 脂質の種類による差をみると, phospholipid は, sulfolipid, golactolipid にくらべてパルミチン酸含有率が高く, リノレン酸含有率が低かった. 作物の種類による差については, 南方型作物は北方型作物にくらべて (リノール酸+リノレン酸)/パルミチン酸, または不飽和酸/飽和酸の値が小さいことがみとめられた.
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