日本作物学会紀事
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水稲極早生品種の花芽分化におよぼす日長, 光の強さおよび培地の影響
安達 京子井之上 準
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1972 年 41 巻 1 号 p. 78-82

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抄録
感温性の非常に高い水稲農林11号および農林15号を用いて, 花芽分化におよぼす日長と光の強さおよび培地の影響について実験した. 実験はすべてガラス管瓶を用い無菌培養法で行なわれた. 1. 自然光下20℃および25℃では, 培地の糖濃度の高低にかかわらず長日区(連続光), 短日区(8時間日長)ともに同じ節位で花芽が分化した. ところが, 30℃では糖3%および5%で短日区が長日区より, 一方, 15℃では糖0%, 1%, 3%で長日区が短日区より低節位で花芽が分化した. 2. 培地の組成のいかんにかかわらず, 照度が低下するにつれて花芽分化は阻害された. この実験の範囲内では, 感温性の高いイネの花芽分化にとつては900 luxがほぼ限界照度と考えられる.
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