日本作物学会紀事
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稲属の感光性 : 第8報 累積効果 (2)
片山 忠夫
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1978 年 47 巻 2 号 p. 249-254

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抄録
前報に引き続き短日処理程度の出穂まで日数におよぼす影響について, 種間と種内変異を調査する目的で, 種々の緯度に分布する稲属5種20系統を用いて実験を行った。自然日長区および短日処理20区を設け, 80日令と85日令に達した時, 12時間30分明期の短日処理を行った。そのさい, 短日処理期間中に種々の程度に自然日長条件を挿入し短日条件の累積効果を調査した。累積効果の内容によって全系統は11群に分類された。一般に栽培種は野生種に比較して, また高緯度地方に分布している系統は低緯度地方に分布している系統に比較して, いずれも短日条件の効果は累積し易い事, および短日条件中の長日条件が短かい程, また短日前処理が長ければ長い程, いずれも累積効果が大きい事, などの傾向が認められた。前報の結果と合わせ考えると, このような分析方法で示される短日処理の累積効果は, 感光性を表示する場合の一つの指標として有効であると言える。
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