抄録
腹白米を最も生じやすい米粒の発育時期を明らかにするために,登熟各期の稲体に暗黒処理と強風処理を行なった. 暗黒処理は暗室にポットを搬入し,4日間行なった. 強風処理は,風洞を用いて風速10 m/sの風を2時間穂部にあてて行なった. 出穂後25日目の材料には風速5,15m/sも併用した. 1. 出穂後16-20日目,20-24日目,24-28日目,28-32日目の暗黒処理は腹白米の発現を高め,とくに出穂後20-24日目の処理ではこの割合が著しく,無処理区の3.8倍であった. 出穂後20日目の米粒(上部枝梗強勢粒)はその乾物重が80%(最大乾物重に対する割合)に到達した発育時期であった. 2. 暗黒処理は,処理期間中の粒重増加量を低下させた. この低下割合は出穂後20-24日目の処理で最も大きかった. 3. 出穂後25日目,30日目の強風処理は腹白米の発現を高め,とくに出穂後30日目の処理では顕著であり,無処理区の3.8倍であった. 出穂後30日目の米粒(上部枝梗強勢粒)は25%の含水率を示した. 4. 強風処理後5日間の米粒含水率の低下量は,無処理区に比較して大きかった. この低下量は出穂後25日目,30日目の処理で非常に大きかった. 5. 強風処理は籾殻から,水分の放出を促進した. この放出割合は籾殻の含水率が38%以下になると,著しく増大した. 6. 風速を変え強風処理を行なった. 腹白米の発現率は風速が増すとともに高まった. また,処理後5日目の米粒および籾殻の含水率は,風速が増すほど低かった.