日本作物学会紀事
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アブサイシン酸とカイネチンを用いた二段階培養法によるイネカルスからの茎葉形成の促進
井上 貢前田 英三
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1981 年 50 巻 3 号 p. 318-322

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抄録
イネカルスにおける茎葉および幼苗の形成率を,従来の方法に比較し,数倍高める方法,すなわち二段階培養法を開発した. 前培養と最終培養において各種の植物ホルモン作用を検討した結果,前培養にアブサイシン酸,最終培養にカイネチンを用いた組み合わせの二段階培養が,茎葉および幼苗の形成を最も著しく促進した. これらの植物ホルモンとイネカルスにおける器官形成との関連性について議論した. カルスからの茎葉形成が困難な他の作物に対する二段階培養法の適用は,これらの作物における幼苗の作出にも有望と思われる.
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