抄録
イネの切断根からのカルス形成およびそのカルスの生長に対するセルローズ合成阻害剤の影響を研究した結果, 2, 4-dichlorobenzonitrile (2, 6-DB) に促進作用のあることを認めた. 2, 4-D 10-6Mと2, 6-DB 2×10-6Mを含む培地で無菌培養された切断根では, 2, 4-D 10-6Mのみを加えた培地のものより, 冬くのカルスが形成された. 同様の結果は, 5×10-5Mの2, 4-Dと2×10-6Mの2, 6-DBを基本培地に加えた場合でも得られた. これらの実験結果から, 組織の分化 (側根原基の形成) と組織の脱分化 (カルスの形成) に対して, 細胞壁の組成が一定の役割をもっていると言える.