抄録
タイ国東北地域の2-5試験地圃場において, 3年間にわたりロゼル-リョクトウ間作試験を実施した. ロゼルのリョクトウに対する遮光の悪影響を緩和する意図で, 複条法(paired row technique)を導入して, 固体密度一定, 窒素(N)供給2段階の条件下に, 条間距離を変えて2作物を栽培し, 収量の反応をいろいろな面から比較した. 得られた主な結果は次のとおりである. 1) 単作に比べて間作ロゼルの乾燥繊維収集は各種条間3年間平均で, 僅かしか低下しなかったが, リョクトウの種子収集は単作の42-65%に低下した. 2) ロゼルに対するリョクトウの収集比は, 条間距離のみならず, 年次, N条件によっても変動した. 3) 合計収量の反応には2つの傾向がみられた. 1つは複条と単条とにかかわらず, 条間距離の増大に伴って増大する傾向であり, 他の1つは10-15cmという狭い複条々間距離に収量の第2の山が現われる傾向である. ロゼル収量も同様な反応を示したが, リョクトウ収量は異なる反応を示した. N無施肥に対する反応にはロゼルとリョクトウ間に差は認められなかった.