日本作物学会紀事
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水稲の根系形成に関する研究 : 第1報 主稈における分枝根の生育
川島 長治
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キーワード: 根系, 生育, 水稲
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1988 年 57 巻 1 号 p. 8-18

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抄録

主稈葉数が中程度であるトヨニシキの主稈各要素根の分枝根の生育について検討した. 1. 2・3次根は1次根の伸長終了とほぼ同時ないしその直後に伸長を終了した. 2・3次根の最終の長さは第IX要素根またはそれよりやや下位の要素根でもっとも長く(下位根と上位根, 分枝根の種類によって若干の違いがある), それより上位の要素根では短かった. 2. 細い2次根と大い2次根を合計した2次根数は1次根の基部を離れるにつれて多くなり, ある部位から何cmかにわたって最大値の部分となり, さらにそれより先端寄りでは減少した. 最大値の部分の2次根数は下位根では第VII~第IX要素根でもっとも多く, 上位根では上位要素根ほど多く, その上・下位根間差は上位要素根ほど大きかった. 1次根1本当リ2次根数は第VIII, 第IX要素根付近でもっとも多かった. 1次根長1cm当リ2次根数は下位根では1本当リ2次根数と同様の傾向であったが, 上位根では上位の要素根において多かった. 3. 太い2次根長1cm当り3次根数は下位根, 上位根ともに, 最上位付近の要素根で多かった. 4. 分枝根の直径は最上位付近の要素根で細い傾向があった.

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