日本作物学会紀事
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米飯のテクスチャーに関する研究 : 第3報 テクスチャーの品種間差異
江幡 守衛山田 勉石川 雅士
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1989 年 58 巻 4 号 p. 569-575

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抄録
米飯のテクスチャーの品種間差異を明らかにするため, 日本型水稲, 陸稲, インド型水稲およびこれらのもち品種を含めた97品種を用いて検討した。うるち米飯の硬さ的要素を代表するそしゃく性はインド型長粒種>同中粒種>日印交雑インド型短稈種>日本型水稲>日本型陸稲の順であり, 粘着性は日本型水稲>日本型陸稲>日印交雑インド型短稈種>インド型中粒種>同長粒種の順であった。もち米はうるち米より粘着性が著しく高く, そしゃく性が劣り, 日本型とインド型, 水稲と陸稲の差はうるち米より僅少である。うるち米の食味指数は日本型水稲>日本型陸稲>日印交雑種>中粒インド稲>長粒インド稲の順であった。また日本型水稲の中では食味指数の高いものは中晩生種に比べて明らかに早生種に多い傾向であった。一般に米飯のテクスチャーのうち硬さ的要素を示すそしゃく性と粘り的要素を示す粘着性との間には負の相関関係がみられた。テクスチャーは白米の粒形との間にも相関関係が見られ, 粒形が細長いものほどそしゃく性が大きく, 粘着性や食味指数が劣る傾向であった。また粒重との関係はもち品種では余り明瞭でないが, うるち種では小粒種ほどそしゃく性が高く, 粘着性や食味指数の劣る傾向もみられた。
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