日本作物学会紀事
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西日本早生コムギ品種における分げつの消長
中條 博良紅谷 文夫三本 弘乗
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1989 年 58 巻 4 号 p. 611-616

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抄録
西日本早生コムギ品種である農林26号, 農林61号, オマセコムギを秋季に播種し, 個々の分げつについてその消長を比較検討した。出現分げつ数における3品種間の差は小さかったが, 出穂分げつ数には明らかな品種間差があり, 農林26号が最も少なく, オマセコムギが最も多かった。この差は, 分げつの出現率の差によるのではなく, 出現した分げつ, とくに第二次分げつの出穂率の差に基づいていた。第二次分げつの出現日と出穂率との間に負の相関関係が認められる時期があり, 出穂率が80%または50%になる第二次分げつの出現日は農林26号と農林61号では早く, これらの品種に比べてオマセコムギでは10日内外遅かった。しかも, これらの時期までに出現した第二次分げつ数は, 農林26号と農林61号では少なく, オマセコムギでは多かったので, その結果, 出穂分げつ数に品種間差が生じた。分げつの有効, 無効が明瞭に現れる時期の前25日間 (3月) における第二次分げつの乾物重増加量と出穂率との関係には品種間差が小さかったが, この期間における第二次分げつの乾物重増加量および稗長増加量には品種間差があり, これらの差が第二次分げつの出穂率における品種間差をもたらしたと考えられる。
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