抄録
葉における各種窒素化合物中の窒素含量の変化を経時的に調べ, それと呼吸速度の変化とを対比させることによって, 窒素代謝と呼吸との相互関係を検討した。タンパク中の窒素含量は, 暗期開始後12時間増加し続けたが, そのみかけの合成速度には経時変化がみられ, 0時から3時の間に最大となり, その後急激に低下した。この変化は, 特に展開中の葉において顕著であった。このタンパク合成速度にみられた経時変化は, 既報の呼吸の経時変化と非常によく一致することから, 呼吸の経時変化はタンパク合成速度の経時変化を反映しているものと考えられた。