日本作物学会紀事
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六倍体ライコムギの麦芽製造品質, とくにオオムギ, コムギ及びライムギとの比較について
LERSRUTAIYOTIN R.重永 昌二宇都宮 直樹
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1991 年 60 巻 2 号 p. 291-297

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抄録
六倍体ライコムギ(×Triticosecale Wittmack)の麦芽製造品質を,麦芽標準作物としてのオオムギ,並びにライコムギの親作物としてのコムギ及びライムギと比較して検討を加えた. ライコムギ麦芽はライムギやコムギの麦芽よりもジァスターゼカが高く,とくにオオムギの麦芽に比して著しく高かった. 麦芽エキス及びエキス収量については,ライコムギとライムギはオオムギよりも高い値を示した. 麦芽収量率はライコムギの方がオオムギより高かった. ライコムギの浸麦時間は平均18.5時間で,オオムギの平均76.0時間に比して著しく短かった. 以上の点でライコムギは醸造原料としてすぐれた品質を備えていることが明らかになったが,全窒素含量がオオムギ,ライムギ,コムギより高く,また発芽力において劣る難点があり,更に検討を要する.
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