日本作物学会紀事
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水稲の光合成・乾物生産に対するケイ酸の生理的役割 : 第1報 ケイ酸および遮光処理の影響
東江 栄森 和一窪田 文武Peter B. KAUFMAN
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1992 年 61 巻 2 号 p. 200-206

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抄録
水耕液中のケイ酸濃度および光強度をそれぞれ2段階変えた条件下で水稲3品種(日本晴, コシヒカリ, 水原258号)を約4週間栽培し, 処理に対する乾物生産および光合成速度の反応特性を解析した. 生長促進や乾物生産増加に対するケイ酸の効果は3品種いずれにも認められたが, 日本型品種, 特に遮光区のコシヒカリで顕著であった. ケイ酸施用は老化にともなう光合成速度の低下やクロロフィル含量の減少を抑制する効果があった. また, ケイ酸施用により過剰蒸散が抑制され, 水利用効率が向上した. これにより下位葉の水分や生理的活性が維持され, 個体の乾物生産が向上したと考えられた.
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