日本作物学会紀事
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コムギの凍霜害に対する播種密度の効果
佐藤 暁子小柳 敦史和田 道宏
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1993 年 62 巻 3 号 p. 372-377

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抄録
コムギ3品種について, 凍霜害の被害程度に対する播種密度の効果を, 節間伸長期の窒素, リン, カリウム, 糖類及びデンプンの含有率との関係から検討を加えた. 子実収量は低密度区 (150粒/m2) で高く, 高密度区 (300粒/m2) で低かった. 低密度区では, 主要分げつが凍死しても, 節間伸長期の窒素及びカリウム含有率が高いため, 分げつ中期以降に出現した分げつが有効化し収量に寄与した. 一方, 高密度区では節間伸長期の窒素やカリウムの含有率が低く, 分げつ中期以降に出現した分げつが弱小化し, 主要分げつが凍死しても, これらの分げつが有効化しないため, 減収程度が大きくなった.
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