抄録
アピオス (Apios americana Medikus Medikus) の栽培化を目的として, まず本研究では圃場で栽培したアピオスの生長過程を明らかにした. 1993年4月に, 生体重3-4gの平均的サイズの種いもを圃場に植えた. 植え付け後約30日で出芽した. 地上部の乾物重の増加は, 植え付け後98日目ごろから急激になり, 乾物重は168日目ごろに最大値に達し, その後低下した. 地下部について見ると, 68日目ごろに, 地下茎の各節が肥大を始めて, いも形成が始まり, 地上部の生長が終わるころ又は開花盛期以後, いもは急速に肥大した. 植え付け後217日に地上部は降霜により枯れ, いもの生長はここで止まった. 種いもは消失せず, 植え付けから地上部の生長が終わるごろまで, 乾物重が低下し, それ以後急速に増大して, 収穫時には植え付け時の重さとほぼ同じになった. 本研究によりアピオスの圃場条件下での生長を始めて明らかにすることができた. これは今後の栽培技術研究の基本となる.