日本作物学会紀事
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水稲湛水土壌表面直播における苗立ち性に関する研究 : 第1報 苗立ち率の品種間差異
井上 直人天野 高久江湖 暁子
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1997 年 66 巻 4 号 p. 632-639

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抄録
水稲の湛水土壌表面直播での苗立ち率の品種間差異を, 特微のある国内外の7品種を用い, 播種期を変えて調査した. 平均水温17.9℃と22.7℃の条件における苗立ち率は, 前者の場合93%から33%, 後者は94%から18%と品種によって大きな差が認められた. 苗立ち率の低下の主な原因は, 浮き苗と死亡率の2つの独立した要因によるものであった. 低下の主要因は品種によって異なり, 浮き苗率と死亡率が共に少ない品種(Arroz da Terra)が認められた. 浮き苗率は草丈や種子根の伸長や苗の水中での見かけの重さとは明瞭な相関関係が無かったことから, 2葉期までの種子根自体の土壌への貫入能力の差が, 苗立ち率の品種間差異をもたらす主要な要因であると考えられた.
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