抄録
早生のソルガム6品種を総当り交配し, 子実収量, 稈長, 出穂迄日数などについて, ヘテロシスの発現, 一般組合せ能力(GCA), 特定組合せ能力(SCA)を春播きと夏播きで推定した. GCA効果, SCA 効果ともに有意であった. いくつかの品種は収量に正のGCA, 稈長と出穂迄日数に負または小さい値のGCAを示し, 優れた親と考えられる. F1の半分以上で収量に高いヘテロシスがみられた. いくつかのF1は収量に高い正の値の, 稈長と出穂迄日数に負の値のヘテロシスを示した. 遺伝子型と播種期の交互作用は収量, 稈長, 出穂迄日数で有意であった. 遺伝子型と栽植密度の交互作用は春播きの収量では有意であったが, 夏播きでは有意でなかった. 従って夏播きで多収な品種の選択には, 栽植密度は変えなくともよいが, 夏播きで収量試験を行う必要がある. いくつかのF1は夏播きで多収であり, 子実収量を目標にして, 水稲早期栽培の後作へ導入の可能性があると考えられる.