日本作物学会紀事
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ダイズ花房内位置による開花・結莢の相違
齋藤 邦行磯部 祥子黒田 俊郎
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1999 年 68 巻 3 号 p. 396-400

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抄録
圃場栽培を行ったダイズ品種タチスズナリの頂端花房 (30ヶ) と1次花房(45ヶ) を供試して, 花房内位置が開花・花器脱落および莢の伸長に及ぼす影響を調査した. 花房には最大10ヶの花器が着生し, 開花は花梗基部から頂部の花器へと進行した. すべての花器の開花が終了するのに6日を要した. 花器脱落は基部の花器で早い傾向にあったが, 明確な序列は認められなかった. 結莢率は基部の花器で50~70%と高く, 基部より5, 6番目の花器では30~40%, 7番目以上の花器では10%以下に低下した. 花房の結莢率は個体内の変異が大きく, 0~100%まで様々に分布した. 一花房花蕾数が増加すると花房の結莢率は低下する傾向にあったが, 稔実莢数は増加した. 一花房花蕾数の増加は花房当たり稔実莢数の増加を通じて子実収量に貢献すると結論された.
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