日本色彩学会誌
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色素斑の大きさと数が目立ちに与える影響
大塚 理子溝上 陽子矢口 博久
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2017 年 41 巻 3+ 号 p. 50-51

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抄録

 美肌に対する人々の関心は強く,色素斑のトラブルに悩む人は多い.色素斑に関する研究も様々行われているが,色素斑の特徴と視覚特性の関係については明らかになっていないことも多い.菊地ら(2015)は,色素斑の個数や面積が色素斑の目立ちに影響を与えることを明らかにしたが,それらの分布パラメータに限定した定量化はされていない.そこで本研究では,色素斑の個数や面積が,色素斑の目立ちに与える影響を調べた.色素斑の総面積や個々の面積を同様に保った状態で色素斑の個数を変化させた画像を作成し,大きい色素斑1個の画像と比較することで,色素斑の目立ちを評価する実験を行った.また,色素斑が同じ個数でも,大きい色素斑を含む条件と,全て小さい色素斑の条件の2種類を行った.その結果,色素斑の総面積が大きい場合よりも,各画像における最大色素斑の面積が大きい場合の方が目立ちの評価は高かった.また,色素斑が同じ個数でも,大きい色素斑を含む場合の方が,全て小さい色素斑の場合より目立ちの評価は高かった.このことから,色素斑の個々の面積が色素斑の目立ちに最も影響を与えると考えられる.

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