抄録
東京都立川市は平成24年7月1日に景観行政団体となり,同年10月1日には景観計画の運用を始めた.それに伴い,市民向けの景観セミナーを実施してきたが,平成27年度の取り組みとして小学生向けの景観教育も試みた.校舎の大規模改修の機会を活用し,卒業を控えた6年生が母校に記念として正門改修を実施することとし,全体の景観を考慮し実際に参加して塗替えまで行なった.この授業は,立川市の都市計画課及び施設課,教育委員会,小学校の校長・副校長及び6年生の担任という多くの人々の理解と協力によって行われたものであり,講義→デザイン企画→発表・投票による選定→ペンキ塗り実施,という流れで,考え方を学び,自分たちで企画し,自分たちで実際に体験するという構成の総合学習である.小学生高学年くらいの年齢で,色彩のみならず「景観」を身近なものとして学び,考え方や手法に触れることができたら,将来,生活の一部として積極的に関わり,まちづくりに貢献するものと確信した.今回の発表は,講義に携わった立場から,自治体や教育機関での取り組みを推奨するために,事例紹介を行うものである.