日本色彩学会誌
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パーソナルカラーにおける顔の見え方に関する研究Ⅲ ~「反射光の影響」の検証~
真田 めぐみ冨山 眞知子沼上 恵里小松原 仁
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キーワード: 固有感情, 同化, 反射光
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2017 年 41 巻 6+ 号 p. 35-38

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抄録

 パーソナルカラーで「似合う」という主観的評価が概ね共通の結果となる背景として,「顔の近くに配置した色の属性」と「顔の見え方」には法則性がある,という想定の下に視感評価を実施.被験者の平均85%から「顔の見え方は顔の近くに配置した色の属性と同方向へ変化する」という回答を得た.

 この視感評価の原因として,顔の近くに配置した調査色からの反射光の影響があるという仮説を証明する目的で,調査色からの反射光による顔色変化を計算により算出し「反射光の影響により顔色が調査色の属性と同方向へ変化する」との結果を得ている.さらにこの結果を検証する為,顔の近くに配置した色による顔色の変化について輝度計での測定を実施した.

 今回,色相差のある2色の比較では,計算データと同様に調査色と同方向の色度へ顔色が変化し,結果は十分認知できる色差であった.つまり調査色からの反射光の影響で実際に顔色が変化することが確認された.また額・頬・顎の4か所を測定,額よりも顎が顕著なデータとなり,この点からも反射光の影響ということが確認された.主観的と考えられていたパーソナルカラーの判断基準として,一定の法則性を明らかにする結果となった.

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© 2017 一般社団法人 日本色彩学会
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