日本色彩学会誌
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ドーム型照明を用いた非接触式測色システムによる 蒸し饅頭の色彩評価:蒸し条件の影響
山本 裕之酒井 英樹北村 祥太高山 正宏伊與田 浩志
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2018 年 42 巻 3+ 号 p. 169-

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抄録

 表面の色や光沢の分布は,食品の品質や価値を評価する際に重要な情報である.発表者らはこれまで,ディジタルカメラとドーム型照明を用いることで,食品の色情報を二次元で記録することができる非接触式測色システムの開発を行ってきた.また,食品の品質向上を目指して,実際の食品工場で使用される連続式蒸し器を用い,蒸し加熱時に蒸し器内への空気の混入が加熱後の製品の表面色に与える影響を調べてきた.本報では,これらの測色装置の開発と実験的研究の続報として二種類の蒸し饅頭(黒糖,よもぎ)を試料として実験を行った結果を報告する.今回の実験ならびに解析では,開発した測色システムにより得られたSCE並びにSCI画像からハイライト成分を除くことでより正確な色情報を取得し,蒸し器内への空気混入量が加熱後の食品の色や光沢に与える影響を前報のデータを含めて調べた.その結果,加熱により明度L*の値は増加し,空気混入量が少ないほどL*は大きくなる傾向がみられた.また,光沢Gs(20°)の値は,加熱により減少し,空気混入量が少ないほど小さくなる傾向を有することがわかった.

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© 2018 一般社団法人 日本色彩学会
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