日本色彩学会誌
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デジタルカメラを用いたディスプレイの 分光キャリブレーション手法の開発 
鉄尾 隆太篠田 博之
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2018 年 42 巻 3+ 号 p. 167-

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抄録

 ディスプレイのキャリブレーションは通常測色機器を用いXYZの三刺激値で行われるが,本研究では,誰しもが手にしたことがある安価なデジタルカメラなどの機器を用いて様々な波長で色をとらえディスプレイキャリブレーションを分光的に行う手法を提案する.ディスプレイの分光的キャリブレーションを実現するにあたり,カメラの分光感度およびディスプレイの分光放射照度をカメラの画像から正確に推定する必要がある.まず,カメラの分光感度の推定,その後ディスプレイの分光放射照度を推定するという流れで本実験を進めた.カメラの分光感度を求めるには分光放射照度が既知であるディスプレイが必要となるため初めに測定しておくこととする.さらに,本研究では現実の輝度値や色度を再現するためにより広い輝度の領域で多くの階調情報を取得できるHigh Dynamic Range Imageを使用する.これらのカメラの信号値,測定値を使用しMATLABで解析を行なった.ディスプレイ分光放射照度の推定値と測定値を比較することで提案手法の精度を確認する.

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© 2018 一般社団法人 日本色彩学会
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