2018 年 42 巻 4 号 p. 161-
FUMIE(Filtering Unconscious Matching of Implicit Emotions)テストを用いて無彩色(白,黒,灰)に対する潜在的嗜好を,4週間の間隔を空けて反復計測し,視覚的連続スケール(Visual Analogue Scale: VAS)により同時に計測された顕在的無彩色嗜好と比較した.FUMIEテストの結果は,VAS計測よりは低いものの,一定程度の反復計測安定性を示し,潜在的色嗜好計測手法としてのFUMIEテストの信頼性が示唆された.これまでのIATなどの潜在的態度計測手法を用いた検討において繰り返し示されてきた潜在-顕在指標間の乖離は,本研究においても同様に示されており,「潜在的な黒忌避が,顕在的には表出されにくい」ことなどが,単一概念に対する計測を可能とする本手法を採用することによって初めて明らかにされた.