日本色彩学会誌
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日本色彩学会平成30年度研究会大会色彩科学系5研究会 合同研究発表会
呈示時間の異なる色刺激に対する色覚特性の違いによる色名応答比較
桂 重仁須長 正治菱川 優介
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2018 年 42 巻 6+ 号 p. 1-

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抄録

2色覚の色名応答は,色の呈示時間が長いと3色覚の色名応答と類似することがわかっている.また,異常3色覚は2色覚と3色覚の間の色覚特性であると考えられるが,どのような色名応答をするのか詳細はわかっていない.本研究では,異常3色覚の色名応答に着目し,色名応答の特徴や他の色覚特性による色名応答との類似性を明らかにすることを目的とした.

実験では,呈示時間を50から3200 msec.の7条件で変化させ,1023色を1色ずつモニタに呈示した.被験者の課題は,呈示された色に対し14色名の中から1色名を答えることであった.被験者は,1型異常3色覚2名,2型異常3色覚2名,2型2色覚2名,3色覚5名であった.結果は異常3色覚,2色覚共に呈示時間が長くなると3色覚の色名応答に類似する傾向を示した.また,3色覚の色名応答との一致率は異常3色覚の方が2色覚より高かった.今回の実験からは,1型,2型の違いによる色名応答の差は明確にはならなかった.

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© 2018 一般社団法人 日本色彩学会
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