日本色彩学会誌
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日本色彩学会平成30年度研究会大会色彩科学系5研究会 合同研究発表会
肌のツヤが魅力印象に及ぼす効果の顔特徴による違い 
安盛 花季三枝 千尋沖山 夏子黒谷 成幸
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2018 年 42 巻 6+ 号 p. 56-

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抄録

 顔の印象はコミュニケーションにおいて重要な役割を持ち,笑顔や若々しさによって顔が魅力的に見えることが示されてきた.これらの知覚には顔の形状が関わることが知られている.一般に,物体の形状は表面のツヤの分布によって異なって知覚されるため,肌のツヤを制御することで,形状に基づいて判断される顔印象を変化させることが可能と考えられ,その効果は顔自体の立体形状により異なる可能性がある.また,明度が高い顔は低い顔よりもポジティブな表情に評価されることから,顔の印象は肌の明度により異なる可能性がある.

 本研究の実験1では年代・顔型・表情の異なる顔画像のツヤ強度を変化させることで,ツヤが顔印象評価に与える影響を,実験2では顔画像のツヤと明度が笑顔印象評価に与える効果の違いを検討した.実験1では,ツヤ強度の上昇に伴って顔の魅力,笑顔,若々しさ評価が高まり,ツヤによって顔の印象が異なって知覚される可能性が示唆された.実験2では,顔の年代により顔の明度とツヤが笑顔印象に及ぼす効果が異なり,肌のツヤが顔印象に効果を及ぼすメカニズムは顔の特徴によって異なることが示唆された.

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© 2018 一般社団法人 日本色彩学会
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