日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
包装紙の質感を模擬した色刺激の味覚的な印象I
櫻井 将人
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 129-

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抄録

食品のほとんどは様々な包装紙で覆われ,その色を含めた質感も食品のイメージに影響していると考えられる.各種包装紙の質感を模擬した色刺激の味覚的な印象を評価することで,先行研究の結果も踏まえ,統合的に食品パッケージへの応用が期待できると考えられる.そこで,本研究では,各種質感を模擬した色刺激の味覚的な印象を明らかにし,パッケージデザインへの応用に対する知見を得ることを目的として,包装紙の質感を模擬した色刺激に対して,基本5味(甘味,酸味,苦味,塩味,旨味)の印象を主観評価により調査した.結果として,苦味においては,明度が低く,GY系の色で評価値が高くなり,先行研究の結果と一致する傾向を示したが,質感よりも色自体の印象を強く示す傾向があった.一方,甘味においては,ホイル紙のような光沢感があるRP系の色で他の質感を模擬した色刺激に比べ評価値が高くなり,質感の影響を示唆する刺激もあった.これらの結果を踏まえ,包装紙の質感を模擬した色刺激の味覚的な印象やその応用を検討する.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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