日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
「ワクワク」感の色彩描画表現に関する研究(2)-日中大学生の比較―
裵 湖珠
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 135-

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抄録

本本研究は日本の「擬情語」の言葉で「ワクワク」を選び,わくわく感を視覚的に表す時にどんな色で表現するかを調べるために最初は日本国内を調べた.続いて日韓の大学生を対象にして比較検討を続け,今回は日本と中国の大学生を対象にして,両国の共通点や違いなどを比較検討した結果を報告する.第50回日本色彩学会全国大会で発表した日韓の比較では日本で一番選ばれた色は「赤色」であって,韓国の場合は「ピンク色」が一番で選ばれた色であり,2番目選ばれた色が「赤色」であった.今回の日中の比較では両国共に「赤色」が一番選ばれた色で特に中国の場合は全体に占めた率が36%でもあり,3国の共に一番選ばれた色では「赤色」が占めた率が高かった.性別的でも日中共に男性は「赤色」が一番に選ばれた色で,女性の場合は日本が「オレンジ色」,中国は「ピンク色」であった.一番選ばれた色の上位3位まで日本は赤色,オレンジ色,黄色で,中国は赤色,ピンク色,オレンジ色で両国共に暖色系色が多くを占める.先行研究で気になった黒色が中国でも見られ3国の大学生は自由に描く項目に対し,色を表現する前に形を先に考え,形を描くためのアンダーラインを黒で描いている事が影響しているではないかと思われる.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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