日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
ドーム型照明を用いた非接触式測色システムの開発その3:自動化及び測定精度の検証
酒井 英樹伊與田 浩志
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キーワード: 非接触測定, SCE, SCI, 再帰反射
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 56-

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抄録

天然由来の材料など,平らで均一な測定用試料を作ることが困難な物体の色彩,光沢,再帰反射を同時に測定する方法を提案する.平らでない物体をそのままの形で測色するには,非接触測定が必要になるが,照明は別途用意しなければならず,測定精度を担保することが難しい.この問題に対して,我々はこれまでに積分球を模した内壁が白色のドーム型照明を用いることで,陰影のない状態で色彩を測定する方法を提案し(2017年大会その1),さらに,正反射光を制御する光トラップを設置することで光沢を測定する方法を提案してきた(同その2).

本報告では,その改良として,自動化に続き(2020年大会その3),半球化によって大面積試料へ対応させるとともに,複数の光トラップ(光吸収体)を配置し,正反射光と再帰反射光とを発生させる照明光を個別に遮ることで,色彩,光沢に加えて,新たに再帰反射を測定することを提案する.従来,色彩値,光沢度,再帰反射性の測定には,光学系が大きく異なる測定法が使われてきた.しかし,本測色システムは,同一の光学系を使った測定であり,同一精度で同時測色が可能であるという特徴を持つ.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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