日本臨床腸内微生物学会誌
Online ISSN : 2759-1484
パロモマイシンが殺シスト効果を示した難治性ジアルジア症の一例
保科 斉生, 堀野 哲也
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2026 年 28 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

【症例】45歳女性,主訴:遷延する水様性下痢。

【現病歴】X年12月末から下痢が出現した。X+1年1月上旬から下痢の回数が頻繁になり1日20行程度の水様性下痢を認め,X+1年3月1日に前医を受診した。便検鏡検査(直接塗沫法等)を実施したところ,ランブル鞭毛虫(以下Giardia intestinalis)のシストが多数認められた。メトロニダゾール(MNZ)1回500mg 1日3回を10日間内服し下痢は改善したが,内服終了約1ヶ月後に下痢症状が再燃し,便検鏡検査で再びG. intestinalisのシストを認めたため,難治性ジアルジア症として当院分院を紹介受診した。分院の担当医からのコンサルトを受け,MNZ 1回500mg 1日3回 7日間内服開始と当科受診を指示した。

【現症】体温36.5℃,嘔気を認めた。また受診時の下痢症は軟便1行/日程度に減少していた。

【経過】追加問診で最近1年間の海外渡航歴はなかったが,風俗業に従事していることが明らかになった。本人は利用者の肛門を舐めるサービスを提供しており,糞口感染が疑われた。シストの駆除目的にパロモマイシン(PRM)1回500mg 1日3回 10日間を処方し,1ヶ月後の外来で下痢の消失と,便検鏡検査でシストの消失を確認した。

【考察】国内のジアルジア症の多くは性感染症として流行しており,無症候性シストキャリアがその感染源となっている可能性がある。海外渡航歴がなくとも,遷延する下痢症の診断には寄生虫検査が必要である。またシストが残存するジアルジア症では,PRM(保険適用外)の追加投与により治癒が期待できる。

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