稲作は昭和35年まで、県内の農業粗生産額の第1位を占め、経済性からみて重要な役割を果たしてきた。その後、野菜作の拡大・都市化による耕地の人為潰廃・田畑転換により、平成7年度の水田面積は昭和35年に比べ27%まで減少し、平成6年度ににおける水稲の作付面積は4,050ha、農業粗生産額56.8億円(全体の5.7%)、農業分野の第6位になっている。一方、県内の耕地面積から見た地目割合は、普通畑57%、田22%、樹園地21%であり、水田の占める割合は高く、土地利用及びその多面的機能から、水田は重要な役割を担っている。ここでは本県の稲作と転作作物の推移及び農水省の「地域水田農業技術確立試験研究」の一環として平成3年から6年にかけて、当所で実施してきた野菜を中心とする転換作物の省力化についての概要を紹介する。