抄録
代かき等の春作業の集中は、規模拡大を制約する要因となっているだけでなく、複合経営農家においては他部門と労働力の競合を生じている。ここでは、春作業を省力化する移植体系の一つとされる表層代かき同時移植について、温暖地の早期栽培において問題となる冬生雑草の防除を考慮した好適な耕耘時期と「コシヒカリ」の施肥法を、1994〜95年の2年間、中粗粒強グライ土の圃場において、第1、2表に示した処理区で調査・検討したので報告する。なお、表層代かき同時移植機としては三菱農機製ハロ-田植機を使用し、慣行移植は、耕起-荒代かき-植代かき-移植の作業体系で行った。