日本作物学会関東支部会報
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2 イネの穂の籾に蓄積された同化産物の再分配について(予報)
石原 邦米村 健高田 敦之
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p. 11-12

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抄録

穂の光合成が籾の同化産物蓄積量にどのように影響するかを検討するため、出穂開花期以降、アルミホイルで穂を遮光し、登熟に伴なう粒肥大の様子を一粒重の分布の変化で調査した。その結果、登熟が進むにつれて、籾は空籾とよく充実したものにはっきりと分かれ、同化産物を中途半端に蓄積した中間の重さの籾はほとんどなくなり、収穫期には、空籾の割合が登熟の途中よりも増加する傾向も見られた。出穂前に稈に蓄積された同化産物が、出穂後穂に再転流して登熟に利用されることはよく知られているが、出穂後に日照不足等の不良環境に見舞われ同化産物の供給が不十分な場合、穂において、稔る籾が限定され、そこに同化産物が集中的に供給されれば、少数でも充実した籾が確保され、同化産物の無駄が少ないと考えられる。そこで、本実験では、上述した現象が普遍的に認められるかどうかを更に検討するため、個体群に遮光処理を施して、イネの穂の籾重の変化を調査した。

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© 1993 日本作物学会関東支部
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