醸造用二条大麦(ビール麦)の追肥については粗蛋白含量が高くなりすぎる危険性があり、品質の低下を招きやすいということで原則として行わないように指導がなされている。しかしながら、生育の状況に応じた対応技術が麦踏みを除いてほとんどなく、これが収量の不安定性を招いている。一方水稲では生育診断技術により、大きな成果を上げており、小麦においても追肥等の対応技術が開発されつつあるが、ビール麦でも気象や生育に応じた追肥の可否の判定や、適切な追肥時期・追肥量の決定ができる技術を組み立て、品質の低下を招かないで収量の安定化を図ることを目的として試験を行った。