日本作物学会関東支部会報
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12 キュウリの葉の水ポテンシャルの低下と水の通導抵抗の増加との関係およびその関係に及ぼすウイルス感染の影響 : 水耕法を用いた急性萎凋症の検討
箕田 豊尚平沢 正御子柴 義郎石原 邦
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p. 23-24

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抄録
キュウリの急性萎凋は、吸水と蒸散の不均衡による葉の水ポテンシャルの低下が引金となって茎の水の通導抵抗が著しく増加することによって発生すると考えられる。キュウリの急性萎凋は、多窒素、低照度条件で生育したキュウリに多く発生するとともに、キュウリモザイクウイルス(CMV)、カボチャモザイクウイルス(WMV)、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)等のウイルスに感染したキュウリで発生することも認められている。そこで圃場で急性萎凋をおこした個体についてELISA法でウイルス検定を行ったところ、これらのウイルスの感染が認められない個体もあったが、多くの個体はウイルスに感染していた。このことは、ウイルス感染は、多窒素、低照度などの条件と同様に、急性萎凋の発生を助長すると考えられた。これまで、葉の水ポテンシャル、水の通導抵抗と急性萎凋との関係を検討するにあたって、土耕栽培したキュウリの根を切断するなどの処理を行なってきたが、この方法では葉の水ポテンシャルはいろいろに変化し、これらの関係を詳細に追究することはできなかった。本研究では、水耕液の水ポテンシャルを低下させることによって葉の水ポテンシャルを均一に低下させることを考え、水耕液に生育したキュウリを用い、葉の水ポテンシャルの低下と水の通導抵抗の増加との関係およびその関係に及ぼすウイルス感染の影響を検討した。
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© 1994 日本作物学会関東支部
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