抄録
情報通信技術を用いた災害医療研修システムを開発し,災害看護への応用の可能性を検討した。本システムは,平成26年に東日本大震災復興資金を財源とする福島医療・福祉機器開発・事業化事業として採択され,富山大学を中心とする研究グループによる先行開発の後に事業化した。開発名称は「電子トリアージ研修システム」(商品名 電子トリアージ教育システム3TS : Tablet Triage Training System)であり,医師・看護師・救急隊員(救急救命士)等からなる災害医療チームをターゲットとした研修システムである。本システムは,災害医療を研修するためのアルゴリズムから構成されたシナリオを用いる。このシナリオを改変して災害看護教育に特化した研修システムを開発することが可能である。