心肺蘇生に関連した研修のインストラクターの多くは医療従事者である。インストラクターは個人で活動をしているため,インストラクターの活動動機と継続要因について明らかにした。一般社団法人横浜ACLS所属のインストラクター53名(医師・歯科医師11名,看護師30名,救急救命士9名,コメディカル3名)に対して,平成25年3月~5月に記述式回答の意識調査を実施し,回答内容について分析をした。インストラクター平均経験年数は4,5年。インストラクターを目指すきっかけは,『自分自身のスキルアップのため』62%,『心肺蘇生教育の普及のため』24%,『他者からの勧め』9%であった。活動を継続するうえで必要なことは『知識・技術の維持』37%,『モチベーションの維持』35%,『支援体制の存在』11%,『時間の確保』8%であった。利益は,『心肺蘇生の知識・技術の維持向上』30%,『教育の知識・技術を習得』30%,『交友関係の拡大』23%,『自信の獲得』5%であった。また不利益は,『休日の減少』65%,『疲労』13%。『職場の協力が得られない』13%であった。インストラクター活動を通じて日々の臨床実践能力の維持・向上が活動継続に影響を与え,活動時間の確保として職場及び家族の理解と協力が必要であることが明らかになった。活動上の利益と不利益のバランスの維持と調整をできることが活動継続の要因であることが明らかになった。
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