抄録
神経救急蘇生コース(以下ISLSとする)は脳卒中急性期医療における標準的な診療手順を修得することを目的とされ看護師に対しても大きな役割を期待されているためISLSコースを受講する目的,成果について検討した。調査対象は2008年8月~2011年10月にISLS横浜コースを受講した看護師66名。調査方法は,ISLSコース終了後に記述式及び短答式回答の質問紙を配布,受講目的,コース内容の満足度より看護師の受講後の意識の傾向について明らかにした。受講目的は,看護実践に必要である(57%),スキルアップのため(41%),教育目的のため(2%)であった。コース修了後90%以上の受講生が満足と評価していた。またステーションの理解度は,意識障害でのGCSと模擬症例が高く,NIHSSが低かった。看護師がISLSを受講することで,急性期脳卒中標準化に大きく貢献し脳卒中に興味を持たせる有用な手段になると考えられる。今後は理解度の低い項目についてはファシリテーターのコース内でのファシリテートの検討が必要であることが明らかになった。