Journal of Clinical Simulation Research
Online ISSN : 2433-054X
原著
客観的評価機能を用いたBLSコース受講後の胸骨圧迫の質の推移について(第3報)
迫田 典子 池田 尚人小菅 宇之奈良 和恵
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 7 巻 p. 15-18

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抄録
 BLSヘルスケアプロバイダーコース受講1年後の胸骨圧迫の質について,救急領域以外の病棟看護師13名に客観的評価機能評価と記述式質問紙を用いて分析をした。
 胸骨圧迫の各項目の平均値は,手の位置は受講前90.5%,受講後90.9%,1年後99.9%。深さは受講前45.4mm,受講後48.1mm,1年後52.3mm。速さは,受講前11.8%,受講後26.8%,1年後60.8%。圧迫回数は,受講前129.1回/分,受講後125.3回/分,1年後117.9回/分。リコイルは受講前94.2%,受講後96.3%,1年後99.2%であった。どの項目も1年後の値が最も上昇していた。胸骨圧迫の質が向上した要因は,所属している施設内での教育体制の存在と,病棟には救急関連の専門及び認定看護師が指導者としてBLSコース受講後に継続して指導していたと推測される。今後は受講2年後の胸骨圧迫の質を評価することでCPRの質の維持のために効果的な教育方法について具体的に検討することが課題である。
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© 2017 日本災害医療教育研修協会
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