Journal of Clinical Simulation Research
Online ISSN : 2433-054X
原著
シミュレーション研修における客観的評価のための調査票の考案
伊井 みず穂 奥寺 敬若杉 雅浩安田 智美
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 8 巻 p. 17-25

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抄録
 救急医療領域は扱う疾患の多様性と関わる職種が多いことより、様々なOff-the-job-trainingが開発・導入され展開されている。日本国内で受講可能な、救急分野に関連した研修は、受講実績が専門医制度に反映されるなど一定の基準に基づくと2018年4月現在56コースが開催されている。これらの研修において評価方法は様々である。近年、開発・研究のレベルで研修の評価モデルとして、Kirkpatrick評価が用いられている。Kirkpatrick評価は4段階レベルで構成され、発表以降、様々な領域の研修に応用され改訂が行われている。本法は、研修全体の評価をすることは可能であるが、個人の研修効果を即時に反映させる性質のものではない。Off-the-job-trainingコースは、研修で技能・知識を完全に習得するものではなく、継続学習のきっかけになるのが重要である。そのため、受講生の継続学習を促し、自己調整学習者を育成することも研修の目的として位置づけられる。現状では、受講生自身が、コースへの満足だけでなく、自らの成長を感じられるような評価はほとんど実施されていない。そこで今回、架空の研修Aを対象として想定し、研修の前と後に簡易に評価でき受講者の継続学習の契機となることを目的とした調査票を考案した。本調査表を研修Aに用いたと想定し、予想されるいくつかの仮定した結果を付与し考察した。
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© 2018 日本災害医療教育研修協会
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