Journal of Clinical Simulation Research
Online ISSN : 2433-054X
8 巻
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原著
  • 迫田 典子, 奈良 和恵, 笹尾 真美
    2018 年8 巻 p. 3-6
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル オープンアクセス
     医療施設内でBLSコースを受講した医療従事者112名(医師17名,歯科医師52名,看護師43名)の職種別に受講前後の意識変化について短答式・記述式調査を実施し分析した。受講動機は,全職種で「急変事の対応を学びたい」,「今まで急変事に対応が出来なかった」,「自信を持ちたい」の回答が多かった。BLS受講前の意識は,「院内研修でのBLSの必要性」と「BLSスキルの臨床への活用」と全職種の8割以上が回答した。受講後の意識では,職種問わずBLSコースを肯定的に捉えていた。「ACLS・PALSコースの受講希望」は,医師・看護師90%以上,歯科医師75%が肯定的に回答し職種で差が生じていた。今後は,受講方法・内容・時期を検討し,多くの受講機会を受講者に提供することが課題である。
  • 迫田 典子, 池田 尚人
    2018 年8 巻 p. 7-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル オープンアクセス
    【背景と目的】脳卒中急性期医療における標準的な診療手順を修得することを目的として神経救急コース(以下ISLSとする)が開催されている。受講生の職種や受講目的は多種多様であるため,職種別におけるISLSコースを受講する目的について明らかにした。
    【方法】横浜ISLSコースを受講した医師45名,看護師66名,救命士11名の計122名に対して,ISLSコース終了後に短答式及び記述式回答のアンケートを実施,回答内容より職種別に受講目的について分析した。
    【結果】受講目的は,全職種を通じて『日々の業務に必要である』『スキルアップのため』『その他』であった。受講目的の達成度は,95%以上の受講生がISLSを実践出来ると捉え職種聞での差はなかった。
    【考察と結論】ISLSの受講目的として,脳卒中急性期医療の必要性を感じ受講を通じて再認識された。またスキルアップの方法として効果的に用いられていた。受講目的を達成するために有用であったことが明らかになった。
  • 迫田 典子, 大西 真裕, 池田 尚人, 小菅 宇之, 奈良 和恵
    2018 年8 巻 p. 11-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】CPRの経験が少ない病棟所属の看護師を対象に、客観的評価機能を用いてBLSコース受講直後と2年後のCPRの質の推移について調査することを目的とした。
    【方法】BLSコースを受講した看護師34名中、継続して調査協力が得られた5名を対象として、BLSコース受講直後と2年後に客観的評価機能を用いてCPRの質を調査した。
    【結果】BLSコース受講直後と2年後で「CCF」は63.4%から68.2%(p<0.05)に上昇した。「平均換気」は408mlから636ml(p<0.05)に増加した。「換気回数」が7.2回から9.8回(p<0.05)に増加した。
    【考察】CPRの経験が少ない看護師でも、施設内のクリニカルラダーの存在、院内外のCPRに関連する講習を通じて、必要な知識と技術の再習得の機会になり、CPRの質に影響していたと考えられた。
  • 伊井 みず穂, 奥寺 敬, 若杉 雅浩, 安田 智美
    2018 年8 巻 p. 17-25
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル オープンアクセス
     救急医療領域は扱う疾患の多様性と関わる職種が多いことより、様々なOff-the-job-trainingが開発・導入され展開されている。日本国内で受講可能な、救急分野に関連した研修は、受講実績が専門医制度に反映されるなど一定の基準に基づくと2018年4月現在56コースが開催されている。これらの研修において評価方法は様々である。近年、開発・研究のレベルで研修の評価モデルとして、Kirkpatrick評価が用いられている。Kirkpatrick評価は4段階レベルで構成され、発表以降、様々な領域の研修に応用され改訂が行われている。本法は、研修全体の評価をすることは可能であるが、個人の研修効果を即時に反映させる性質のものではない。Off-the-job-trainingコースは、研修で技能・知識を完全に習得するものではなく、継続学習のきっかけになるのが重要である。そのため、受講生の継続学習を促し、自己調整学習者を育成することも研修の目的として位置づけられる。現状では、受講生自身が、コースへの満足だけでなく、自らの成長を感じられるような評価はほとんど実施されていない。そこで今回、架空の研修Aを対象として想定し、研修の前と後に簡易に評価でき受講者の継続学習の契機となることを目的とした調査票を考案した。本調査表を研修Aに用いたと想定し、予想されるいくつかの仮定した結果を付与し考察した。
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