認知科学
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大会発表賞
下位構文スキーマが容認性判断に与える影響の統計的評価
斎藤 幹樹
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2016 年 23 巻 1 号 p. 76-79

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抄録

(受賞の言葉) この度は大変栄誉ある賞を賜り誠に光栄に存じます.私の研究は言語表現に対して感じ得る不自然性の要因を探るものです.本研究発表では日本語の(名詞‐名詞型)複合語において,「○○先生」や「○○学会」のような,前項名詞(N1) 部分がスロット(空欄)になっているような言語表現の知識が,不自然性の認識に関わっている可能性を示唆しました.本研究は人が言語表現を認識・理解するプロセスの解明という認知科学的側面に加え,言語学に対しては方法論的な側面も有しております.言語学における方法論は依然として盛んであるとは言えず,周辺的な研究であると見なされがちです.それもあり,この度このような栄誉ある賞を頂けました事は私自身にとっても,そして言語学自体にとっても非常に大きな出来事であると感じております.本研究は指導教官である谷口一美准教授と,実験方法の構築を含め多くの点で毎度貴重な御助言を下さる杏林大学の黒田航先生を始め,研究室の同僚を含む多くの方々の日頃のサポートの上に成り立っております.この場を御借りしまして皆様に心より感謝致します.(斎藤幹樹)

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© 2016 日本認知科学会
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