2023 年 12 巻 1 号 p. 19-28
目的:放課後等デイサービス施設の平常時における防災行動の実態とその関連要因を明らかにすることである.
方法:10府県888施設に質問紙調査を行い159件(17.9%)の回答を得た.5つの防災行動を従属変数としロジスティック回帰分析を実施した.
結果:防災行動の実施率は,耐震補強の実施(39.0%),施設内の整備(59.7%),被災用備蓄(45.9%),児童参加の防災訓練(84.9%),家族参加の防災訓練(15.1%)であった.防災行動と関連の見られた項目は,被災用備蓄と経済的ゆとり等,耐震補強の実施と施設の所有形態等,施設内の整備と施設の防災対応に関する家族の認識の把握等,児童参加の防災訓練実施と職員の勤続年数等,家族参加の防災訓練実施と常勤職員数等であった.
考察:防災行動促進のためには,防災対策見直しに向けた支援,金銭的支援,家族と連携した体制づくりが重要であることが示唆された.