日本交通科学学会誌
Online ISSN : 2433-4545
Print ISSN : 2188-3874
利用者アンケート調査に基づく乳児用バギーの新機能開発に関する研究
田宮 高信齋藤 純一杉本 聖一冨田 宏貴三林 洋介田中 英一郎
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2011 年 11 巻 1 号 p. 4-12

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抄録

本研究では、乳母車利用時における安全性の向上を念頭に、乳児用バギーの新機能開発をおこなった。乳児用バギーの新機能開発のため、乳母車利用者へのアンケート調査に基づき新機能を開発する改善点を抽出した。アンケート調査は東京都荒川区南千住駅前ショッピングモール周辺でおこなった。調査地点の特徴として、自動車の交通量が多いこと、鉄道利用者の往来が多いこと、また歩道上での自転車と乳母車の同時通行がおこなわれていることがあげられる。調査の結果、片手開閉機能や片手推進時の直進性の向上など、「片手操作性の向上」に強い希望が示された。片手操作性の向上は、利用者が乳幼児を確実に確保することを確実にする。同時に、利用者が乳幼児に十分な注意力を確保することに効果が期待される。そこで、既存の乳児用バギーを基に、片手収納機能、直進性の向上、新たな自立機能の各追加機能を開発した。第1に、新たにキックバーを取り付け、片手での収納を容易にした。本機能は同時に自立機能のための追加動作を不要とした。第2に、ハンドル回転機構を開発し、左右に分かれたハンドルの疑似的な一体化を可能とした。本機能により、片手操作時における直進性の向上が期待できる。

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© 2011 一般社団法人 日本交通科学学会
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