日本交通科学学会誌
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カーブミラー方式と交差車両の認知負荷
島崎 敢平山 裕記中村 愛石田 敏郎
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2011 年 11 巻 2 号 p. 9-17

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抄録

カーブミラーは無信号交差点に数多く設置されているが、2種類のミラーが混在している。集中ミラー方式は2枚のミラーが1本のポールに設置されている。この方式では、右の道路状況は右のミラーに映る。両側ミラー方式は1枚のミラーが1本のポールに設置されており、2本のポールが交差点の両側に立っている。この方式では右の道路状況は左のミラーに映る。そのうえ、鏡像は左右が反転する。したがって、ミラー内の車両が交差点のどの位置にいるのか、またどの方向に進もうとしているのかを判断することは難しい。この難しさの程度を検討するために、24名の実験参加者にミラー内の車両の位置や進行方向を判断するよう求め、反応時間とエラー率を測定した。その結果、車両位置の判断では両側ミラーの反応時間が集中ミラーよりも有意に長かった。進行方向を判断する課題では、両側ミラーの反応時間は長く、エラー率も有意に高かった。

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© 2011 一般社団法人 日本交通科学学会
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